映画【ヒメアノメール】あらすじ&ネタバレ|いじめが生んだ殺人モンスターを森田剛が演じる|2016年日本映画

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森田剛が好演と評判の『ヒメアノメール』 。

 

稲中卓球部』の古谷実の漫画が原作。この人の漫画はギャグ漫画でも、たまに闇を感じるシーンがあり、両極性が魅力的だった。『ヒアノメール』はまさにギャグ要素と圧倒的な闇要素の対比が際立っている。前半はラブコメ、後半はサイコ殺人の構成になっている。

 

出演者は、サイコキラー森田剛、主人公演じる濱田岳ムロツヨシの三人の目が死んでいて、この映画全体に流れる乾いた虚無感をだしていた。濱田岳は中でも上手い。ヒロインの佐津川愛美も清楚系ビッチをリアルに演じていて良かった。

 

エグいシーンが沢山あるけど、笑いやホロリとするシーンもあり、かなり楽しめて観られました。あらすじ&ネタバレをかなり詳しく紹介します。

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 1.『ヒメアノメール映画』登場人物

 

岡田 進(濱田岳:主人公。25才のビルの清掃会社のアルバイト。やや優柔不断なところがあるが、常識的でコミュニケーション能力もある。
安藤 勇次(ムロツヨシ:岡田の先輩。31才。岡田から下に見られているが、しっかりした一面も持つ。
阿部 ユカ(佐津川愛美:かわいいカフェ店員女性。21歳。
森田 正一(森田剛:岡田の元同級生。いじめられっ子だった。
和草 浩介(駒木根隆介):岡田の元同級生。森田と一緒にいじめられていた。

久美子(山田真歩):和草の婚約者。

 

2.『ヒメアノメール映画』あらすじ・ネタバレ(前半)

 

岡田(濱田岳)は、毎日同じ繰り返し、将来への希望がない日々にうんざりしていた。岡田は、清掃会社でアルバイトをしている。乾いていないフローリングに、靴出歩くミスをしてしまった。職人が怒り、それを庇うリーダーの安藤(ムロツヨシ)。しかし、この人どこか受け答えがズレている。岡田は、コミュ能力が低く、冴えない安藤のことを、自分よりつまらない日を送っていると考え、自分はまだましだと感じたいために、安藤を食事にさそう。しかし、安藤は充実した毎日を送っているという。「俺は毎日恋をしてる。」と。

 

安藤(ムロツヨシ)の片思いの相手を見に、彼女の勤務先のカフェに行く二人。彼女(佐津川愛美)はとても可愛かった。「絶対無理!人間のタイプが違う」と言う岡田(濱田岳)結構失礼なことを言われているけどそこはスルーして、カフェにいる金髪男(森田剛)を、いつもい彼女を嫌らしい目で見ている、ストーカーなんじゃないかと言う安藤。岡田は、金髪男が同級生だった森田だということに気づく。安藤に煽られ森田に声をかける。このカフェによく来るのかと聞くと、「はじめてきた」と答える森田岡田は、念のため連絡先交換をして別れる。

 

安藤(ムロツヨシ)の依頼で、彼女(佐津川愛美)の調査をする岡田(濱田岳)は、彼女に見つかり声をかけられる。彼女は森田(森田剛)にストーカーされていると疑いをもっていて、岡田は頼まれて調べに来たのかと聞く。なんだかんだで、岡田は彼女に森田にストーカー行為をやめる説得を頼まれる。彼女の名前は安部ユカ。彼氏はいない。

 

ユカ(佐津川愛美)森田(森田剛)から守る名目で、毎日カフェに通う岡田(濱田岳)安藤(ムロツヨシ)森田は現れない。安藤ユカをデートに誘うといい、「日本酒の美味しい店」を知っていると言う。ユカは「日本酒飲めない」と言うが、「日本酒の店」に誘う、空気を読めない安藤。ユカはみんなでならと言う。岡田ユカの友達の2人を加えて飲むことになった。可愛い友達が来ると期待してたが、キノコみたいな頭の太っちょの女の子アイちゃんだった。アイちゃんがまた空気を読めず、岡田をイラつかせる。ユカがアイちゃんを完全に下にみていて、この子を連れてくる自体に性格悪い?と感じる。

 

安藤(ムロツヨシ)ユカに告白すると言い出し、岡田(濱田岳)ユカのところにそれを伝えに行く。そうすると、ユカは「岡田くんが好き」と言う。安藤が影からみていて、こんらして奇声をあげる。ユカもそれを見て不安になり叫び出す。とんだ場面になった。

 

安藤(ムロツヨシ) は翌日から会社を無断欠勤する。岡田(濱田岳)は見舞いに行くと、「岡田くんは僕の親友だから裏切るわけない。もし付き合ったらチェーンソーでバラバラにするところだった。」とヤバい発言をする。部屋な片隅にチェーンソーを見つける岡田岡田ユカに、付き合えないと言う。ユカは隠れて付き合おうと言う。

 

デート中にユカは、「岡田くんといろいろなことしたい。」と言う。岡田は「その枠組みの中に何が含まれるの?」と聞くと、ユカ「遊園地言ったり。エッチなこと考えてた?」岡田「いやそういうことは枠組み外だ。」ユカ「私は枠組みに含んでるよ。」この子なかなかやります。ユカの家に向かい、途中で「家族計画」を買う岡田。そういうことになる。岡田ユカに何人経験があるのか聞くと、「10人」と答え、ケンカっぽくなる。

 

3.『ヒメアノメール映画』あらすじ・ネタバレ(後半)

 

ユカの家外には森田(森田剛)がいて、「あいつ殺す」と呟く。森田はパシリにしている和草(駒木根隆介)を呼びつけ、岡田を殺す手伝いをしろと言う。和草森田に定期的に金を渡していて、限界状態だった。それに加え今回の要求があり、弱りきって婚約者の久美子(山田真歩)に愚痴る。久美子は森田用のお金を会社の経費から調達させられていて、二人の関係を話すようにいう。和草は高校時代に森田と一緒に、河島という奴にいじめられていたこと。卒業前に森田河島を捕まえ、暴行するのを手伝わされたこと。森田河島の首を絞め殺したこと。その時に死体に向かってマスターベーションする姿を見たことを話す。「あの時からあいつはおかしくなった。急に態度がでかくなり金を要求するようになった。」和草は警察に自首するというが、久美子に止められ、森田を殺す計画を立てる。

 

森田(森田剛)の部屋に行き、襲いかかる和草(駒木根隆介)だったが、久美子が縄をだすのにもたつき、あっさり森田に首を刺されてしまう。久美子もメッタ刺しにされる。このシーンと、岡田とユカのラブシーンが一緒に移り、生と死の対比がされる。森田は部屋に灯油をまき、死体を燃やす。

 

ここから、タガが外れたように、殺人鬼となる森田。3人目の犠牲者は、森田を「変な人がいる」と言ったOL。部屋までついていき、レイプ殺人。生理ナプキンが写ったり生々しい。

 

4・5人目は、所持金・泊まる場所に困ったため、人家に押し入り奥さんをレイプ殺人。旦那さんが帰宅すると、森田がカレーを食べていて、「どちらさま?」なんて言いながら奥さんを探していると、死体を発見し、後ろから刺される。

 

6人目は、4・5人目の家と連絡が取れないと通報を受けた警察官。森田(森田剛)が、押し入った家でくつろいでいるとやってくる。包丁を隠し対応する森田。弟のふりをして家の中に案内する。死体の残額を警察官が見つけたところで、首を刺す。このシーンが一番リアルで残酷でさした。目の演技とか警察官の役の方上手いな。

 

一方、岡田(濱田岳)は、ユカ(佐津川愛美)に告白するという、安藤(ムロツヨシ)に交際を打ち明ける。ショックを受けた安藤は翌日、変な髪型で出社する。「もう恋をしないように、自分への戒め」らしい。社長に髪型直すまで出社禁止にされる。森田(森田剛)は、ユカのストーカーを加速させ、家のドアを蹴っている。隣の住民に注意され、立ち去る。隣の住民が、ユカに森田が来たことを告げる。ユカは岡田の家に身を寄せることにする。ユカは岡田に自分のせいでこんなことになってしまい申し訳ない。と言うが、岡田は自分にも責任があると、過去の話をはじめる。岡田と森田は高校に入り、最初に仲良くなった。森田の家でゲームをしたこともあった。しかし、河島にいじめられるようになり、距離を置くようになった。森田は登校拒否になったが、河島に言われ、岡田は「河島が謝りたいと言っている。」という、嘘の電話を掛ける。森田はクラスメイトの前でズボンを卸し、マスターベーションさせられた。その時岡田は見てみぬふりをし、河島から話しかけられ森田を嘲るかのように笑った。その時、森田が絶望するような嘲るかのような、表情で見た目が、岡田は忘れられなかった。

 

7人目の犠牲者は、この隣人になった。再度、ユカのドアを蹴っている森田に「ねぇ、通報してもいい?」という。森田は警察官から奪った銃で隣人を撃つ。こめかみをかする銃弾。「そこから一ミリも動くな」と言い、隣人の部屋で、椅子に目隠しした隣人をしばりつける。ユカがどこにいるか尋ねるが、「本当に知らない」と言い終わると、頬を銃で撃ち抜かれ、続けて額も撃たれ絶命する。この隣人、イケメンだしいい人だったのに残念。

 

ユカ(佐津川愛美)が見つからず、苛立つ森田(森田剛)はユカの店に行くが、辞めたと言われる。今度は、岡田(濱田岳)の会社の前をうろついていると、安藤(ムロツヨシ)に呼び止められ「まだ、ユカちゃんのストーカーをしているのか?」と言われる。無視して歩く森田に、しつこくつきまとう安藤。やめとけばいいのに!人目につかない駐車場までくると、おもむろに森田が銃をとりだす。安藤は「モデルガンなんて一目でわかる」と言うが、太ももと背中を撃たれる。

 

安藤(ムロツヨシ)の見舞いに行く、岡田(濱田岳)とユカ(佐津川愛美)。意識朦朧のなか「ごめんな」と言う、安藤。この後明確な描写はないが、二人で泣いていたので、安藤は他界したもよう。8人目の犠牲者になる。

 

ユカ(佐津川愛美)は、用心してタクシーで移動していたが、岡田(濱田岳)の留守に窓を壊し、侵入した森田(森田剛)に襲われる。岡田のところに母親から電話があり、「森田くんの事件について説明会をするから、住所を教えて欲しい」と言われ、山本くんという人に住所を教えた。と伝えられた。森田だと思った岡田はユカに電話するが出ない。急いで戻ると、森田がユカを襲っている途中だった。ユカを庇う岡田に、森田は襲いかかる。その時、パトカーのサイレンが鳴り響く。岡田が連絡していたのだ。サイレンの音を聞いて、森田が岡田を道連れに窓から飛び降り、岡田を人質にし、側に停めていた車を奪う。この車の人がかわいそうで、銃で撃たれ、さらに車にひかれる。警察官も撃たれ、犠牲者は9人になる。

 

車で逃走中の森田(森田剛)に、過去にいじめを見殺しにしたことを謝る岡田(濱田岳)。しかし、森田は覚えていないよう。ごちゃごちゃうるせぇと刺されそうになるが、目の前を白い犬を連れた人がいるのに気がつき、急ハンドルをとり、電信柱に激突する。起き上がった森田は、「岡田くんにゲームを返さなきゃ」といい、「お母さん麦茶持ってきて~」

と叫ぶ。明らかに様子がおかしい。警察官が車を開け、森田を引きずりおろす。森田は岡田に向かい「岡田くん。またいつでも遊びにおいで。」と笑顔で言う。脚をみると、左側の膝下がごっそりとれて血だらけの状態だった。

 

岡田と森田の過去のシーン。森田の家で二人でゲームをしている。庭には車で避けた白い犬に似た、犬がつながられている。森田が言う「お母さん、麦茶持ってきて」。

 

END 

 

4.『ヒメアノメール映画』感想

①森田について

元々は、暖かそうな奮起の実家だったし、普通に岡田と仲良くできる控えめな少年だった。いじめで心が壊れ、復讐で河島を殺した時に人としての感覚がおかしくなってしまった。岡田には最後まで強い殺意、憎しみを抱いてはいないように感じた。最後に、事故の衝撃で少年時代に戻ってしまった。

 

②ボーダーラインな登場人物たち

この作品で、完全に善な人物はいない。

・森田は、普通の少年から、いじめで完全におかしい方へ堕ている。

・つづいて安藤がチェーンソーを買ったり危険な面があるが、最後に他人を思いやり死んでいった。

・岡田は、最もボーダーラインにいる人物。フリーターで成功者とは消して言えないが、常識的だし、可愛い彼女もいる。高校時代も、友達はいじめられたが、自分は協力することで免れた。

・ユカは、ビッチな面があるし、アイちゃんを絶対引き立て役にしてるでしょ。って思う。

 

〈ヒメアノメール〉

[おすすめ度]★★★★80点

ストーリーが良くできていて飽きない。グロシーンが多いので人を選ぶ。