ネタバレ感想【聖なる鹿殺し】不穏な歌が流れる。ギリシア悲劇ネタのサイコホラー Ι 歌詞も紹介

 

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こんにちは、猫OLです。

『聖なる鹿殺し』の広告を観たとき、不穏な歌声にとても惹き付けられました。「Gonna let it burn burn burn burna」が繰り返えされる歌詞からは、悲劇的なラストをイメージしてしまいます。

 

『聖なる鹿殺し』は、ある少年が医者を追い詰めていくサイコホラーです。少年が医者の家族と関わってから、子供達が歩けなくなるなとの悲劇が次々訪れます。出てくる人物は皆どこか変で、大変な事態なのに穏やかに観れしまう不思議な作品でした。「カンヌ映画」で脚本賞を受賞した『聖なる鹿殺し』をご紹介します。

 

<目次>

 

1.『聖なる鹿殺し』広告の不穏な歌は「Burn 」

 

広告で少女がアカペラで歌う、上手いのか下手なのかわからない歌は、 エリー・ゴールデンという方の「Burn」という歌です。映画の歌は不穏な空気を醸し出していますが、原曲はハッピーなラブソングです。

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Ellie Goulding   Burn

※日本歌詞は映画字幕引用、後半は字幕アレンジしてます。

 

不安なんて何もない、わたしたちは炎を上げて燃え続けている

We, we don't have to worry bout nothing

'Cause we got the fire, and we're burning one hell of a something

皆がわたしたちを、見つめている、遥か遠い宇宙から

They, they gonna see us from outer space, outer space

光りを当てて、わたしたちは人類の希望になる 

Light it up, like we're the stars of the human race, human race

光が消えてしまったら何を聞いているかわからなくなる

what they heard Strike the match, play it loud, giving love to the world

大きな音でマッチを擦って、世界に向けて愛を放つ

Strike the match, play it loud, giving love to the world

両手を上げて、空に向かって輝くの

We'll be raising our hands, shining up to the sky

わたしたちには炎がある、燃え上がる炎がある

Cause we got the fire, fire, fire, yeah we got the fire fire fire

想いを燃やしていこう

And we gonna let it burn burn burn burn

熱い気持ちを燃やす

We gonna let it burn burn burn burn

ずっと燃やそう

Gonna let it burn burn burn burn burn

熱い想いを燃やし続けていこう

We gonna let it burn burn burn burn

  

 

2.『聖なる鹿殺し』みどころ

①みどころ:ギリシア神話「アリウスのイピネゲイア」(※ややネタバレ注意)

ギリシア神話のアリウスのイピネゲイアが、ストーリーに大きく関わっています。神話の概要は以下のとおり。しかし、必ずしも神話をトレースしているわけではないです。

 

~アリウスのイピネゲイア~

英雄アリウスは、神の怒りを買い、生け贄を捧げるか、全軍沈めるかの選択を迫られる。その結果、娘のイピネゲイアを生け贄に捧げる。イピネゲイアは鹿になる。

 

②みどころ:マーティンの魅力的なサイコパスっぷり

主人公スティーブン(コリン・ファレル)を追い詰める少年、マーティン(バリー・コーコーガン)は、父親を手術で失った過去をもつ、じわじわと追い詰めるタイプのサイコパス。明らかに悪いことをするわけでもなく、じめっとまとわりつき、周りにいたらストレスが半端ない奴だ。

だけど、超然とした態度で常に冷静なところがあり、魅力に映る。スティーブンの娘のキムは、話の面白いマーティンはにメロメロになる。

 

~マーティンの不可解なサイコ行為~

・スティーブン(コリン・ファレル)に場所、時間を問わずストーキングする。

・スティーブンに家族の中から一人、犠牲者を選ぶように言う。

・スティーブンに自分の母親との不倫をすすめる。

・スティーブンの娘・キム(ラフィー・キャシディ)やボブ(サニー・スリッチ)に近づき、心理的に支配する。特にキムとは恋愛関係になる。

 

マーティンはスティーブンの家族に、4つの不幸が訪れると言う。一人の犠牲者を選ばないと、家族全員が死に至ると言う…

~マーティンの4つの呪い~

①足が麻痺

②食欲がなくなる

③目から血が出る

④死に至る

 

 マーティン役のバリー・コーガンは26歳のアイルランド出身の俳優。16歳のマーティン役に違和感はない、少年っぽい雰囲気の俳優だ。容貌は日本人にも親近感を感じやすい、目が細めのアジアっぽさもある顔立ち。今後の出演作品の公開も多数控えている、新進気鋭の俳優さんだ。

 

③みどころ:全く興奮しない下ネタシーン

不穏な空気と下ネタシーンが繰り替えされるこちらの映画。出演する女性がガリガリで、生気がないこともあってか、全く興奮しないどころか、妙に冷静にさせる効果がある?

 

~全く興奮しないラブシーン~

・スティーブン(コリン・ファレル)と妻アナ(ニコール・キッドマン)とのラブシーン。ニコール・キッドマンは「全身麻酔」と言って、ベットから頭を下げ血を登らせる行為をする。

・下ネタかは微妙だけど、マーティン(バリー・コーガン)が、スティーブンにしきりに「腋毛をみせて」とせがむ

・キム(ラフィー・キャンディ)がマーティンを誘う

・マーティンの母がスティーブンの手をベロベロする

・アナが スティーブンの同僚に車の中でサービスする

 

3.『聖なる鹿殺し』あらすじ※ネタバレなし(前半)

①あらすじ:スティーブンとマーティン

 映画は心臓手術のシーンから始まる。本物かと思う、かなりリアルなシーン。

主人公のスティーブンは心臓外科医で、歯科医の美しい妻、16歳になる娘、幼い息子と豪華な家に暮らしている。彼には頻繁に会っている少年、マーティンがいる。スティーブンスティーブンは時計を送ったり、マーティンを大切にしている。スティーブンが「友達はできたか」と聞くと「友達は量より質だ。バスケの友達がいる。それと母さんと仲がいい。父さんが死んでからより仲良くなった」と言う。

    ↓

②あらすじ:マーティンを家に招待する

スティーブンはマーティンを家に招待する。アナは関係がわからない少年に複雑な気持ちになるが、子供たちは仲良くなる。どれだけ自分達が大人かの会話になり、姉のキムは「初潮がきている」と言い、弟のボブはマーティンに「脇毛を見せて」と言う。脇毛を見ると「父さんの方が三倍くらい生えている」と謎の自慢。(ボブは父親に似た高慢な性格?)マーティンはキムを散歩に誘い、歌の上手いキムは「Burn」を歌う。

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③マーティンがストーキング開始

 マーティンはスティーブンを、家に招待してくれたお礼に自宅にも招く。忙しいスティーブンに映画を見ようと言って引き留め、マーティンの母親と二人にする。マーティンの母親はスティーブンの手を「美しい医者の白い手」と言いしきりに誉め、手をペロペロなめはじめる。(可愛いなめかたでさなく、がっかりペロペロ)スティーブンは拒否する。

 

その翌日もマーティンは病院まで、スティーブンを誘いにくる。体調が悪いと言い、検査を受けるのだった。スティーブンに「脇毛をみせて」とせがみ、たいしたことないと言う。その後もしつこいマーティンに、スティーブンは距離をおきはじめる。しかし、マーティンは娘にもちょっかいをだし、バイクで送り迎えしていた。

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④ボブの足が動かなくなる

 ある朝息子のボブが立てなくなる。病院で検査するが原因不明で、一度回復して帰宅するが、その途中で再び倒れてしまう。

 

そんな中、マーティンがスティーブンを食事に誘う。スティーブンに以前に時計をもらったお礼として、アーミーナイフを渡す。そして「ついに始まったね。ステージ1足が動かなくなる。ステージ2食欲がなくなる。ステージ3目から血がです。ステージ4死に至る。ステージ3まで行ったら要注意だ。あなたは私の父親を殺した。その代償として、あなたの家族から犠牲者を一人選べ。選ばなければ、全員死ぬ」と言う。

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⑤キムの足も…

そんな中、合唱していた娘のキムも倒れ、足が動かなくなる。ボブもキムも、食べ物を受け付けずに、ガリガリになっていく。そんな中でも、キムはスマホでマーティンと連絡しており、動きにくい足を引きづり、病室窓から手を振っているところを、母のアナに見とがめられ、スマホを没収される。「くそったれ」と呟くキム

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4.『聖なる鹿』あらすじ・ネタバレ(後半)

 

⑥ネタバレ:妻のアナが動く

妻のアナはマーティンとスティーブンの関係を疑う。スティーブンは、マーティンの父親が手術中に死んだことを認めたが、脳卒中が原因でミスはなかったと言う。「外科医が人を殺すことはない。あるとしたら麻酔医だ。」と言う。

アナはマーティンの手術時の麻酔医に真相を尋ねる。麻酔薬は見返りを求め、アナは手で慰める。スティーブンが、手術時にアルコールを飲んでいたことがわかった。

 

朝食時、スティーブンは「マッシュポテトを用意しておいてくれ」と言う。アナはそれを聞いて切れる。「こんな時にマッシュポテト

⁉️あなたはいつも自分勝手。家族をこんな目に合わせたのはあなたじゃないの?」

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⑧ネタバレ:スティーブン動く

 

スティーブンはマーティンをぼこぼこにして、自宅の地下室に監禁する。子供たちのへの呪いについて尋ねると「答えはメタファーでしかない」と答え、スティーブンにつよくかみつき怪我をさせる。そして、「痛みは痛みでしか償えない」と言いながら、自分の腕を皮ごとかみ切る。

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⑨ネタバレ:家族の関係に変化

スティーブンの不在時に、アナは子供たちを連れ、マーティンの怪我を治療する。そして、足にキスするのだった。アナはマーティンを逃がした。

 

その晩、アナは「犠牲にするなら子供たちよね。二人いればまた子供をつくれる」と言い、裸になってスティーブンを誘うが反応しない。

一方、娘のキムは地下室のマーティンを訪ね、一緒に逃げようと誘う。そして、足を治してくれと頼む。スティーブンはキムがいないことに気が付き、一人で這いながら外にいたキムを保護する。キムは泣きながら、家族を裏切ったことを詫び、自分を犠牲者にして、家族を救うように言う。一方で、ボブに「マーティンからもらったプレイヤーがなくなった。あなたが死んだらちょうだい。ちょうだい。ちょうだい…」と言う。

ボブは、「以前は歯科医になりたいと言っていたが、本当は父さんの仕事の外科医になりたい」と言う。

家族は、スティーブンにこびて自分を犠牲に選ばないように働きかけているのだった。

 

スティーブンは学校を訪ね、キムとボブのどちらが優秀かを尋ねにいくが、先生は真意を測りかね回答しなかった。

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⑩ネタバレ:結末

そんな中、ボブの目から血が出た。ステージ3に移ったのだ。

スティーブンは家族に居間に集まるように伝え、アナには礼服を着るように言う。家族の顔に布をかけ、スティーブンのとった行動は、自分の目も帽子だかくし、銃をもちぐるぐる回り始めたのだった。そして無造作に銃を撃つが、誰にも当たらない。二回目の銃はアナをかするが傷つかない。三回目の銃は…ボブの方に飛んでいった…ボブの顔に掛けた布のしたから血がしたたり落ちるのだった。

 

マーティンとスティーブンが以前にあっていたレストランで食事をするキム。ポテトフライを頼み、たっぷりとケチャップをつけて食べる。その視線の先には、ストローをくわえているマーティンがいた。レストランをでていく、スティーブン一家

 

THE END…

    

 5.『聖なる鹿殺し』1分あらすじ・ネタバレまとめ

 

心臓外科医のスティーブンは、マーティンの父親を、酒を飲んで手術し死なせていた。マーティンは復讐として、スティーブンの家族を一人犠牲にしろという。選ばなければ4つの悲劇を用意し、家族全員殺すという。それは、①足が麻痺する、②食欲不振になる、③目から血が出る、④死に至るというものだった。息子のボブ、娘のキムの順番で呪いにかかっていく。スティーブンは犠牲者を減らすために一人の犠牲者を選ぼうとするが、自分で選ぶことはできない。

最終敵に、目を隠し銃を適当に打つという暴挙にでて、息子のボブが犠牲になる。

 

 6.『聖なる鹿殺し』感想

 

おすすめ度:★★★☆☆55点

 

復讐者のマーティンよりも、父親のスティーブンが狂っている。自分の過失で患者を殺した報いに、家族一人をロシアンルーレット形式で犠牲にする。常に傲慢で、自分の過失を認めようとしない。こんなことをされたら、絶対に家族として一緒に過ごすことができないけれど、最後のシーンで残りの3人で食事をしていたことに驚きました。本当に、言葉が悪いですが「クソ親父」です。

 

また、後味が悪いのはマーティンがどのように、家族の呪いをしていたかのネタバレがないことでした。えっこれで終わり?という印象で、エンディングの最後までネタバレがないか待ってしまいました。マーティンは、催眠術でも扱っていたのでしょうか?それとも神なのか?もやもや感の残るラストでした。

 

 

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